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碧濤のひとりごと

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集談会

 財政再建団体になって3年目の夕張市。人口はこの2年間で1800人減少し、1万1500人、高齢化率は44%となった。負債は未だ300億円を超え、今後も16年間返済は続くので、責任のない世代にも振り向けられる。若者の多くは働く場を他所に求めるから、このままでは、負債を返すどころか自治体が潰れることもあり得る。
 「炭坑の街から観光の街」への転換は、国のリゾート政策の先駆けとなり、「まちづくり優良地方公共団体」として自治大臣表彰まで受けた。エネルギー政策の国策転換を観光に振り向けるよう煽ったのは国ではないかと言うこともできよう。予算資金確保のための不適切な財政手法は北海道の“黙認”の中で更に赤字を膨らませ、結果的に巨額の負債が市民に残された。「指導権限はない」とは、破綻後の北海道の弁だが、何もしなければこうなることは分かっていたことだった。夕張市がハコモノ投資に突っ走るのを“実際に”止めることができたのは、情報を知り得た国や北海道ではなかったのか。
 財政破綻は、果たして夕張市だけの責務なのだろうか。夕張で起きた問題の根本には、過疎に悩まされる地域の共通の課題があるのではないか。夕張が再生することは、他の旧産炭地域や多くの過疎地域に、大きなヒントと勇気を与えることになるのではないのか。
 借金返済だけの「再生計画」ではなく、“真の再生”に向けたボートの行き先を誰が示すのか。オールを握りしめた市民に関わりだして一年。同じ思いの仲間たちと一緒に、行き先を見つけるための「集談会」を企画した。全道の自治体職員や研究者そして地元の市民とが問題点について認識を深め、各地の取り組み事例などの情報交換を織り交ぜ、まちづくりのあり方、議会のあり方、市民の責務について話し合い、将来への提案をする場だ。寸劇のシナリオも用意した。市民が行政内部に入り込み、市民による自治体運営を真剣に考える時代だ。シナリオに盛り込んだそういう市民室設置が現実のものとなることを願っている。

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