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碧濤のひとりごと

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自殺報道

 何となく違和感を持ちながら、大阪の市立高校で起きた、バスケットボール部主将の自殺報道を見ている。
 バスケット部顧問による<体罰>が、つまり、<殴った>ことが原因で自殺に追い込んだように報道され、「体罰を指導といえるか」「体罰は暴力か」という議論に矮小化しているように思える。体罰は指導ではないし、体罰は暴力である、ということは当たり前なのに、一部、「体罰は許される」、という価値観があることを恐れている。
 体罰への<恐怖>や、殴られる<痛さ>が、自殺に追い込んだ原因とは思えない。もっと根深い社会のひずみ、偽善や責任回避、排他主義や利己主義が教育現場にも巣くっていて、その被害がこの主将の自殺という行動に現れたのではないのか。
 顧問の、生徒に対する指導に、<個人の尊厳を踏みにじるような>態度はなかったのだろうか。現今の職場でいわれるモラルハラスメント(精神的暴力)と重なって見えて仕方がないのだ。
<仕事の最中に、次々と仕事を回し、作業の遅れを指摘する>
<質問したら、「言わなくても分かるだろう」と、答えてもらえない>
<チームのミスは全て押しつけられる。意見すら聞いてもらえない>
<あいさつしても、自分だけ無視をされる>
<自分が発言しようとすると、「おまえはしゃべるな」、と言われる>
<自分の企画を、何も言うことなく、無視される>
<失敗すると、ため息をつき、馬鹿にした態度で見られる>等々
 こんなハラスメント実例の「上司と部下」を「顧問と生徒」に換えて想像すると、自殺した高校生の心に少し近づけそうな気がした。

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