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碧濤のひとりごと

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自己保身

 相撲界が大揺れである。昔から暴力団との結びつきがあったことが、関係者の証言で国民の知るところとなった。外部委員会に責任の処し方を決めてもらわねばならぬほど、相撲協会自身に自浄能力のないこともよく分かった。
 そして、琴光喜には解雇以上の処分という勧告だ。もともと自己申告すれば厳重注意処分としていたのだから、委員会どおりの処分を理事会が追認するなら、申告者に対する約束違反だ。朝青龍等の一連の不祥事への対応に続き、またも理事会は、トカゲの尻尾切りで自己保身に走るのかと腹立たしくさえなってくる。
 現役力士の処分は幕内だけで7人、幕内力士の2割ほどの処分で名古屋場所の開催は何とかなると踏んだのだろうが、出場力士が足りなくなるほどに処分者勧告が出たら、どうしたのだろうか。
 暗闇との関係を清算できないまま、今に至った結果責任は、自分の部屋に処分者がいようがいまいが、暗闇を知る立場にあった理事全員がとるべきではないのか。「何とか現役力士は許してほしい」と両手を付いて誠心誠意謝罪し、理事全員が辞職を申し出、理事長は琴光喜に代わって相撲界を去る覚悟をしたとき、初めて国民から「そこまでするなら」との応援の声も出よう。それから、新しい理事を選び直し再生すればいい。
 本物の武道・芸道を守り伝えてきた人たちは、暮らしが貧しくとも、名誉に恵まれなくとも、いつの時代も命がけで稽古に精進しているのだ。
 相撲道、日本文化の伝統を守ると言うのなら、そのくらいのけじめ、トップの覚悟が必要なのだと思う。

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