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碧濤のひとりごと

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経済音痴の想像

 一番大事な時に将来への備えを怠っておいて、今になって立ちすくんで見える日本。この間、安穏と息をしてきた自分の人生に重なって見えるから尚更に腹が立つのだと思い当たった。
 <名声>や<財産>や<権力>に人は群がる。欲には際限がないから、手に入れても満足することがない。高度成長は人の心理を煽り、ついには子孫の財産として残すべき景観や資源にまで手を付けるようになったと思われる。
 高度成長の裏側の都合の悪い情報は体よく加工され、加工できない情報は徹底して隠し、取り巻きには、比較優越の満足感をもたらす<おこぼれ>をばらまいてきた。
 ばらまきへの関与の直接、間接を問わず、情報操作意識の有無を問わず、おこぼれは生活の隅々に入り込む。おこぼれとは、補助金であったり、天下り先であったり、常識からかけ離れた福利厚生待遇であったりする。恩恵を受ける者の狎れ合いは次々と連鎖して不祥事を引き起こしていく。あろうことか、警察、検察、裁判所にまで、情報操作の影響は浸潤しているのではないかと思えるほどだ。最近の社会が、悪魔対天使のごとく、一部特権者対一般良識者の現代版階級闘争の様相を帯びて見えるのは私だけだろうか。
 人口減少、少子高齢化がすすむ日本社会はどこに向かっていくのだろうか。経済音痴の私ではあるが、以下のような妄想が頭に浮かぶ。
 ・・・ 少子高齢化は日本ばかりの問題ではない。買う人がいなければ経済成長はない。高齢者はおいそれとは買い替えない。お得意先の周辺国も少子高齢化が進む。TPPは、アメリカに袖にされて困る一部の人のために、国民の非常時市場を明け渡す愚かな選択に見える。農業者の問題ばかりではない。いずれは我が身に返る産業人までが情報操作の餌食にされてTPPに賛同しているように見える。
 我が国の市場は十分解放されているのに、国内の自活手段さえ手放すTPPは、万が一の非常食を、食券と交換するようなものだと思える。
 米国主導の市場原理主義に染まる限り、TPP加盟していない韓国、中国を含め、未来市場に希望はない気がする。市場原理主義がもたらしたものは、今の状況が十分物語っている。成熟社会には別の展開があるはずだ。
 今なすべきは、市場原理主義に代わる、経済停滞下で機能する未来モデルを我が国が示す時ではないのか。それが何かは知らない。しかし、そこへの転換点が、高度成長の行き着いた、原発事故にあった気がするのだが・・・

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