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碧濤のひとりごと

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土壇場政権

 先進国の援助が、圧倒的弱者に不利益を強いる独裁政権の私財の蓄積に向けられ、支援国の特定産業をもっぱら利するものだったことが暴かれている。
 そんな中、内乱や貧困に苦しむ見過ごされた人たちの支援に、中村哲さんたち多くの日本人が貢献している。ロボット技術や航空宇宙の世界にも日本人の活躍は光るし、アジアの中ではノーベル賞受賞者も多く出していて、民間レベルではひときわ気を吐く日本。
 それに比べて政治だけが日本の国際的信用低下を招いているかのようだ。大波から日本丸を守らねばならないのに、てんでに引っ張り合って動けないうちに、日本丸は、大波に呑まれてしまう。
 「一丸となって」と言う議員ばかりなのに一丸になれない民主党にも、現状を招いた政策の原因を他人事のように、政局オンリーの自民党にも、国民はそっぽを向いている。
  しかし、へそ曲がり的に見れば、国民の代表になってほしくない議員や議員グループが、こんなによく分かった時代はないのではないか、と思う。
 ここ数年の政権を投げ出した人達に比べて、現政権が特段の不始末をしでかしたとは思えない。野党に譲歩しないとか、党内反体制派に配慮が見られないとか、国民目線からは遠い話でもめる間に事態はどんどん泥沼にはまった。したたかな官僚の術策がまぎれ込んでいるかもしれない。
 指導力がないのか、あるとしても発揮できないのかは知らない。しかし、いま政権交代しても良い効果が生まれるわけではない。権益にたむろする者には投票率の低いことはおいしいごちそうだ。情報公開が進まず、投票率が低くなるほど社会は病み、不平等は広がる。
 それなら、土壇場まで居座って、政界のごたごたをとことん明らかにして、国民目線に遠い議員をもっとあぶり出せばいい。その方が、名古屋市長選のように市民の関心も高まり、政界再編の次のステップに向けて、少なくとも今よりはマシな人選につながるのではないか、とへそ曲がりの私には思えている。

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