忍者ブログ

碧濤のひとりごと

Home > ブログ > > [PR] Home > ブログ > エッセイ > 原発事故に思う

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

原発事故に思う

 7年前、マグニチュード9.2のスマトラ沖地震が起きた際、現地では最大40数㍍の津波があったという。同種の地震・津波の発生は、日本近海でも想定されたはずだが、原子力発電所への影響を国が真剣に検討した情報は記憶にない。40年も経つ福島原発施設では耐えられないとして、スマトラ級の地震は起こりえないことにしたのかどうかは知らない。今後その経緯も明かされようが、ともかくその「想定したくない」事象が現実に起きた。
 今回の原発事故は、地震で停止した原子炉内の燃料棒や使用済み燃料を冷やすための、冷却装置を駆動する外部電源が停電で確保できなくなり、地下の非常用発電機も、津波による浸水で故障し発電できなかったことが原因のようである。
 地震・津波の大きさが想定外であることと、施設に起きた事象は別物として考えなければならないのではないかと思う。マグニチュード9を想定外としたことは、過去最大規模として、百歩譲って許されたにしろ、被害を最小限にするための装置の一つが冷却装置でありそれを動かす非常用電源ではなかったのか。浸水で発電できないとは、施設の重要性に比して余りにもお粗末ではないか。震度云々以前の問題と思う。更に、百歩譲って電源が使えなくなった時には、どうやって冷却をするのか、というシミュレーションもなかったのであろうか。発電を停止しても燃料棒が発熱を続けることは敢えて専門家でなくとも広く知られているところである。
 施設の重要性に鑑み、あまりに程度の低い、対応の不手際で、原子炉や格納容器が熔融する事故に至りかねない今回の事態の現出に、原発建設の限界を感じている。放射能汚染は今も継続中である。
 地震は天災でも事象は人災のそしりを免れない。営業損失を国民の安全より優先した結果ではあるまいかの疑念も残る。「津波に耐え素晴らしい」との経団連会長の発言も、東電社長の津波責任転嫁の会見も、事故の重大さに遠いところにあると感じる。責任の所在が曖昧な日本社会に原発がいかに危険かを示した今回の事件であった。脱原発が急がれる。

拍手[2回]

PR

Comment0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword

PAGE TOP