忍者ブログ

碧濤のひとりごと

Home > ブログ > > [PR] Home > ブログ > エッセイ > やりきれない思い

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

やりきれない思い

 受け入れを拒否されて、病院をたらい回しにされた妊婦が、脳内出血のため亡くなった。東京都内でのことだ。運び込まれた最初の病院は、総合周産期母子医療センターを標榜していた。当直が一人の場合は妊婦を受け入れないという原則があっため拒否したそうだが、かかりつけの産科医は異常な頭痛を直接救急医に伝えたという。
 伝えられた5年目の研修医は、脳出血の疑いを持たず、下痢や嘔吐がひどいと説明されたので、感染症などではないかと判断したという。その後、研修医から電話を受けた担当産科部長も、他の医療機関に回した研修医の判断を了承したという。
 かかりつけの「産科医」が訴えた「異常な頭痛」にも関わらず、「研修医」が頭痛を「重要視しなかった」のにも疑念が残るが、もっとひどいと思ったのは、産科部長の答弁である。
「結果からすれば、もっと頭痛を重大に取り扱えばよかった。ただ、仮に処置が1時間早くても、結果はあまり変わらなかった」と釈明したという。
 処置していて、患者を助けていたら何と言うのか。「仮に処置が一時間遅かったら危なかった」と言わないか。あまりにも、遺族の心情を逆なでする言葉に聞こえる。
 研修医は担当部長の了解をとったから責任はないと言わんばかりだし、担当の産科部長の言も自己保身にしか思えない。
 「私の判断が甘かった。勉強不足でした」「このような事故を2度と起こさぬよう徹底的に内部体制を見直します」とさえも言えないのか。
 医者不足への対策はそっち。少子高齢化対策はあっち。一般市民には、「同じ穴のムジナ」に映る。やりきれない怒りが残る。

拍手[0回]

PR

Comment0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword

PAGE TOP