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碧濤のひとりごと

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だまされないように

 終戦記念日が近づくこの時期、特攻隊攻撃で命を落とした若者達を扱う報道も増える。
 みんなみの雲染む果てに散らんとも くにの野花とわれは咲きたし
 (高崎文雄 十九才 海軍予科練出身)
 十九歳でここまで精神性が高まるものなのだろうか、と感動すら覚えるが、前途有望な若者達を死に追いやったのは誰か。
 みながみな苦しむ果てに散らんとも 責を逃れてわれは肥えたし
 原発の裏でうごめく産学官上層部が重なって見えてしまうのは、私のへそ曲がりの人生観から来るのであろうか。
 福島原発の事故調査・検証委員会が動き出している。 畑村委員長は「失敗学」の権威とか。第一回委員会では、「畑村の考えで進める」と話した。しかし、現状日本の無責任社会に「失敗から学んだ原発」は定立しない。
 
証言者のヒアリングを含め原則公開するとしていたが、7月8日付委員会申合せ「ヒアリングの方法等について(案)」では、「ヒアリングは、原則として、非公開かつ少人数で行うこととする」「当委員会の設置は、事故責任を追及することを目的とするものではない。したがって、当委員会は、ヒアリングで得た資料(供述内容のこと)を、事故責任を追及する目的では使用しない」となった。またヒアリング内容の記録について、「・・・正確性を期するために、相手方の同意が得られない場合及びICレコーダーを準備する暇がない場合は、ICレコーダーへの録音はせずにヒアリング実施することとするが、その場合でも、できる限り正確にメモを取ることとする。」とある。
 ヒアリングを公開しIC録音を必至にして、どうしてだめなのか。そのためデータ収集が限定的になっても内部告発者を保護しつつ、責任の所在をはっきりさせる資料とすべきではないのか。
 良心的な科学者などから内実の多くが指摘されている。責任を逃れる口実に「責任を問わない条件で話しました」とか「記録内容は話したことと違う」とされないか、勘ぐってしまう。
 来年には、経産省から原子力安全・保安院を分離し、原子力安全庁(仮称)が設置されるようだ。新組織がどんな構成か、利権の絡む政府関係者が入り込まないか、そちらも<だまされないように>注視していかなければならない。

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